第2章 初めての彼氏は…、
杏「好きな男性のタイプはあるのだろうか!」
杏「恋愛において重要視している事を教えてもらいたい!」
杏「君の元彼と言われている男はどのような男なのだろうか!実在するのか!」
りんが本当の笑顔を見せてから杏寿郎の質問が偏り始めた。
本人は無意識だったようだが、当然りんはその異変に気付いた。
(なんだか…、好意を寄せられているんじゃないかって勘違いしちゃいそう…。早く "ちゃんとした" カップルになろうって思ってくれてるのかな。)
りんがそう思案していると杏寿郎は残念そうな顔になった。
杏「困らせてしまったか。なかなかに難しいな。笑わせる為に君を知ろうとしたのだが、これでは本末転倒だ。」
「あ、いえ!困ってません!えっとタイプは…、そうですね…。」
りんは『やはりただ理解を深める為だったんだ』と納得しながら口を開き、考えるように視線を上へやる。
「タイプ、タイプ……、意外と考えたことなかったかも…。昔から『天兄と真逆の人が良い!』なんて言ってましたが…それって、」
そこまで言って、それが目の前の男に当てはまるのではと思ったりんは固まった。