第9章 牽制
杏「…ッ」
そして額に青筋を浮かべると男の首根っこを掴み、ダンッと床に叩きつける。
杏「自分より弱い者を食い物にするとは恥知らずにも程がある!!とても看過できる事ではないぞ!!!」
そうして呻く男をうつ伏せに抑えながら杏寿郎は慌ててりんに目をやった。
「杏寿郎さん…、」
りんは抵抗したらしく、かろうじて下着を身に付けていた。
しかし、頬は腫れていた。
杏「……………………………………。」
杏寿郎はどす黒い感情が胸の中で渦巻き、暴れるのを感じた。
「ありがとうございます…私、」
杏「礼を言わないでくれ。守れなかった。」
そう言われるとりんはごまかすように服を着直そうとしたが、無理やり脱がされた時にボタンが弾け飛んだらしく、前を閉めることが出来なかった。