第9章 牽制
藤「……これはセクハラに入ると思うか。」
そんな事を問われても、本人を前に『はい、思います。』と答えられる者など少数だろう。
「それは…、どうでしょう……。」
以前はそこから頬へ手が滑った。
今度もどこかへ触れるのだろうかと考えるとじわりと汗が滲む。
(お願い…お互いの為にこれ以上おかしな事は……、)
そう祈っていると藤川の手は呆気なく離れていった。
(………………よかった……。)
その時———、
気を抜いてしまったりんはガクンと膝を折り、その場に崩れ落ちてしまった。
「あ…っ」
藤「水瀬さん!?」
昨夜の激しい行為を思い出したりんは赤面しながら立ち上がろうとし、またガクッと膝を床についた。