第2章 初めての彼氏は…、
思い切ってそう問うと無音になってしまう。
少しして溜息が聞こえた。
天『……俺のせいで食欲なくして痩せてく奴がいたら、どうとも思わねぇはずねーだろ。』
りんは目を見開いてから眉尻を下げて笑う。
「…そっか……。」
天『あーーとにかく!お前はあいつに幸せにしてもらえ!童貞でもめちゃめちゃ男気のある奴だから大丈夫だろ!お前もあの拗らせ具合いを見るにどうせまだ処女なん』
「もう戻らなきゃ!またね!!」
りんはそう大きな声で別れを告げると慌てて通話終了ボタンをタップした。
(し…、しんっじらんない…!あんな直接的な言い方…デリカシーなさすぎ…!!)
そう思うもすぐに肩の力が抜けていく。
天元が自身を心配してくれていた事を知って胸が温かくなったのだ。
(…うん。戻ろう。杏寿郎さんと幸せになれるよう、正面から向き合ってみよう。天兄とずっと友達でいられたんならきっと良い人だ。)
りんは拳を握ると小さく頷き、くるりと後ろを振り返る。
そして、杏寿郎の元へと戻って行った。