第9章 牽制
杏「では熱いうちに頂こう!!」
「はい。どうぞ召し上がって下さい。」
そうして二人は和食の朝食を食べ、食べ終わると慌しくそれぞれの支度をした。
杏「うむ!俺はそろそろ出るが、りんさんは…、」
そう言い掛けたところにりんが大量の大きなタッパーを持ってくる。
そして、少し自信なさそうに眉尻を下げながら杏寿郎を見上げた。
「あの…、杏寿郎さんの胃袋に合わせて大きなタッパーは買ってあったから…お重箱じゃないけれど、その…、」
そうりんがハッキリと言葉にせずもじもじとしていると、理解した杏寿郎はパッと太陽のような笑みを浮かべた。
杏「お弁当か!!!」
そう言うとりんからタッパーを受け取り、片手で持ちながらりんの頭を撫でた。
杏「ありがとう!!とても嬉しい!!!」
全力で礼を言われたりんはほっとしたように笑って『良かったです。』と呟いた。