第8章 ※夜の顔
「えっ、電気はだめです…!」
杏「すまない!無理だ!!初めては顔を見ながらしたい!!」
りんは早くも後悔をしながらリモコンを奪おうとしたが、杏寿郎はそれを部屋の隅に放ってしまった。
「ああっ、そんな…!」
杏「優しくできるかどうかは保証出来ないがよろしく頼む!!」
「え!?優しくしてください!!」
そう青くなるも、がっしりと筋肉がついている杏寿郎に跨れればもう抵抗のしようがない。
りんは喉をこくりと鳴らした。
杏寿郎はそんなりんのおどおどとした表情を見下ろすと、熱い息を吐いて口角を上げる。
杏「ああ、愛らしいなあ。」
何度も言われた褒め言葉であったはずだが、りんはその表情を見てぞくりとした。
(なんか……ふんいきが…ちが、う…。)