第8章 ※夜の顔
「杏寿郎さんがお風呂に入ったら髪を乾かす為に洗面台をお借りしますね。」
杏「ああ!好きに使って良いぞ!!」
杏寿郎はそう言うとりんの頭を撫でてから脱衣所へ向かった。
(………杏寿郎さんは恥ずかしいとか思ってなさそうだったな…。むしろ…、)
りんは先程の杏寿郎の愕然とした表情を思い出すと口を結んで俯く。
(時間が経てば覚悟できるものなのかな。それとも…、時間は関係ないのかな。もし、ただ単に思い切る心が足りないだけなら………、)
———
お風呂に入り、すっきりとした二人はしばらくソファで仲良くテレビを見てから寝室へ入った。
「……………………。」
杏「では少し早いが明日は月曜だしな!」
杏寿郎はそう言うとベッドに座ったりんににこりと微笑み、電気のリモコンを手に取った。
杏「もう電気を消しても良いだろうか!」
「…はい。」