第7章 一大イベント(part. 2)
杏「同じ物を選ぶとはな!胸ポケットに入れて毎日持ち歩こう!!」
「ふふ。私もボールペンを見た時びっくりしました。私のプレゼントとごっちゃになっちゃったのかと…。」
杏寿郎は『ああ、それで固まっていたのか!』と相槌を打って次の大きめな包みを手に取った。
杏「少し重いな。この包み方から察するに割れ物だろうか。」
りんは、不思議そうな顔をしながら開ける杏寿郎を少しそわそわとしながら見守った。
杏寿郎が緩衝材を取り除くと、出てきたのはイルカの模様が描かれているペアのマグカップだった。
「杏寿郎さんだけのプレゼントじゃないのですが…その…、ふたり暮らしをするのならこういうのを用意するのも良いかな…と思いまして…。」
りんがそう言いながらちらりと杏寿郎を見上げると、杏寿郎は眉尻を下げて笑った。
杏「ああ!とっても良い考えだ!!二人で大事に使おう!!」
そんな笑顔を見たりんはほっと息をつき、マグカップを預かって台所へ向かった。