第7章 一大イベント(part. 2)
「……ナンパされてたんですか…?」
杏「ナンパかどうかは分からないが誰と来たのか知りたがっていたな!」
(それってナンパなんじゃ…。)
りんがそう思って眉を寄せると杏寿郎は呆れたように笑った。
杏「そのような顔をする必要はないぞ。先程まで君と来た事と君がどんな子なのかを話していたんだ。」
そう言いながらりんの左手をしっかりと握り、少しいたずらめいた瞳を向ける。
杏「あの女性達、引き攣った笑顔を浮かべていたぞ。恐らく惚気話を食い過ぎて腹でも壊したのだろう。」
それを聞いたりんは破顔して気の抜けた笑顔を浮かべた。
「杏寿郎さんらしい撃退法ですね。」
杏「うむ!ではプレゼント交換をしよう!!」
そう言って杏寿郎が立ったまま土産袋を開けようとするので、りんは慌てて止めた。
「それはお家に帰ってからゆっくりしましょう。」
それを聞いた杏寿郎は小さく『むぅ。』と言ったが、すぐに切り替えるとりんの手を握って颯爽と水族館を後にしたのだった。