第7章 一大イベント(part. 2)
杏(…流石にアクセサリーでこれは安すぎるだろうか。となると持ち運べる物が良いかもしれないな。)
そう思うとその場を離れ、今度は雑貨コーナーへ向かう。
すると丁度入れ違いにりんがそのコーナーから離れていくところだった。
杏(何かここから選んだのだろうか。)
杏寿郎は何気なく目の前にあったボールペンを手に取った。
杏「………………。」
そして、シンプルで会社にも持っていけそうなそれをぎゅっと握り締めると口角を上げたのだった。
———
「杏寿郎さん!」
買い物を終えたりんは先に待っていた杏寿郎の元へと駆け寄った。
すると、りんを見た女性二人組がパッと散っていく。
「…………。」
りんは眉尻を下げてそれを見送った。
杏「早速プレゼント交換をしても良いだろうか!」
杏寿郎はりんの頭を撫でるとそう言って明るい笑顔を見せる。
しかしりんの顔色は優れない。