第2章 初めての彼氏は…、
りんは杏寿郎から見えない所まで歩くとすぐに天元に電話をかけた。
すると、待っていたのか思ったよりも早く繋がる。
天『よォ、今』
「ちょっと!あの人なんか怖いよ!怒ってるのか笑ってるのか分かんない…!」
りんがそう言うと天元は笑い声を上げた。
「な、何笑ってるの…!今飲み直してて…ふ、二人っきりなの!助けてよ…!」
天元はりんの切羽詰まった声を聞くと、再び笑ってから深く息を吐いた。
天『はー笑った。ダイジョブダイジョブ。何、お前怒らせるような事したの?あいつ滅多に怒んねーよ?』
「それは…、」
思い返してみれば、怒ったというより、気を付けるようにと注意をされただけである。
「………それは…、」
天『あいつ良い奴だろ。まあ、本当に怒ってたんだとしてもそれなりの理由があるだろうし、切り替えめちゃめちゃ早ぇから一緒にいて楽だと思うぜ。』
「……切り替えがとっても早い…?」
りんは復唱すると共にすんなりと納得した。