第7章 一大イベント(part. 2)
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二人は順路通りに進み、大水槽の前に着くと足を止めてしばらく穏やかで賑やかな槽内を眺めた。
「…いつか…一緒に海にも行ってみたいです。」
りんがそう呟くと杏寿郎は嫌味のない笑い声を漏らす。
杏「いつかではなく次の夏に行けば良いだろう!行きたい海を決めておいてくれ!連れて行くと約束する!!」
その言葉にりんはパッと顔色を明るくさせた。
「素朴な日本の島に行きたいです!例えば…伊豆諸島とか!」
杏「伊豆諸島か!大島には行った事があるが…、素朴となると他の島についても調べた方が良いかもしれないな!」
ぽろりと溢した小さな夢があっという間に現実味を帯びる。
りんは口をむずむずとさせて頬を緩ませると『はい!!』と元気良く返事をした。