第7章 一大イベント(part. 2)
そんなりんの笑顔を見た杏寿郎は、人が多い屋外でさらりと身を寄せた事について触れるのをやめた。
杏(誰彼構わずしている訳ではないだろう。俺にだけ気が緩んでああしてしまうのであれば、あれはただ愛らしい行動だったと捉えるべきだ。)
自身だけドキッとしてしまったのは正直なところ面白くはない。
だが、りんの笑顔は毒気を抜く力を持っていた。
(さすがに待ち受けにはできないけど…嬉しい…。)
「杏寿郎さんにも送りますね。」
りんはそう微笑みかけると、杏寿郎の片手を捕まえてぎゅっと握り直した。
杏「…うむ!ありがとう!!」