第7章 一大イベント(part. 2)
———
槇「またいつでも来なさい。」
瑠「歓迎いたします。」
千「待ってますね。」
「ありがとうございます!」
午後四時、たっぷりと話をした杏寿郎とりんは煉獄家を発つことにした。
「お邪魔しました!」
杏「また来ます!!」
二人が門を出てそう言うと三人は手を振ってくれた。
(温かい家族だったな…。)
杏「では帰ろう!!」
「えっ!?」
(なんで…、)
これからがデート本番だと思っていたりんは目を丸くした。
そして見上げた先の杏寿郎も目を丸くしていた。
杏「初デートは食事だけなのだろう。今日は実家にも行ったのでこれ以上続けると良くないのではないか。」
りんは口を薄く開けて固まった後、安堵から思わずくすくすと笑いだしてしまった。
「それ、付き合う前のデートの話です。『最初は軽いアプローチから始めましょう』という意味ですよ。物足りなさが次に繋がるのです。」
杏「……よもや!!」
帰ったらりんをベッドに誘おうと思っていた杏寿郎は、まだデートを続けられる嬉しさと気合いが空回った切なさの間で固まった。
「色々考えたんですが、ここはもう王道を行こうかなと思いまして…、」
りんはそうわくわくを隠しきれない顔でスマホを操作すると、とあるホームページを杏寿郎に見せた。
「水族館デート!しましょう!!」