第6章 一大イベント(part. 1)
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槇「杏寿郎から聞いたよ。宇髄の親戚だそうだね。」
「は、はい!」
( "宇髄" の…? "宇髄くん" や "天元くん" のじゃなくて…?)
りんが違和感に少し首を傾げると、隣の杏寿郎が優しく頭を撫でて気を引いた。
杏「宇髄は君に何も教えていないようだが、煉獄家と宇髄家は大正時代から縁がある一族なんだ。前に会った不死川や伊黒もそうだぞ。」
「…え………、」
(ただ中学から同級生になった友達だって言ってたのに…。小学生の時だってそんなこと何も…、)
そう呆然としながら思い出したのは両親の事だった。
りんの両親はりんが天元と仲良くしている間はとても優しかった。
ネグレクト気味になったのは、りんが中学に入って天元を遠ざけるようになってからだ。
「………それって、ウブヤシキさんと何か関係がありますか…?」
りんは嫌な予感がしてそう聞いた。
その名は両親の口から何回か聞いたことがある名だった。
詳しくは覚えていなかったが、『天元くんとこのままずーっと一緒にいるんだよ。』とりんに言い聞かせていた両親は、 "ウブヤシキさん" とやらに異様な執着があるようにみえたのだ。