第6章 一大イベント(part. 1)
当然りんも赤くなって呆然としている。
なにせ、やっとキスデビューを果たしたばかりだ。
子供を作る過程のハードルが高すぎて、子供の人数という話題まで辿り着けない。
「こ、子供は……、」
りんは今度は泣きそうな顔で杏寿郎を見上げた。
しかし杏寿郎は相も変わらずにこにことして見つめ返してくる。
「あの…、」
杏「何人欲しいんだ。大事な話だろう。恥ずかしがらずに言ってご覧。」
(た、たしかに大事な話だけど…皆さんの前で…?いや、皆さんに関係がある事だからここで言うのは自然なこと…なのかな…、)
「えっと…、」
りんはまた流されだし、人数について考え始めた。
(私は兄弟が欲しかったから二人以上が良いかな。杏寿郎さんも千寿郎くんととっても仲が良いし、やっぱり兄弟って大切なんだろうな。人数…、人数は……、)
「ふ、二人…くらいかなと……、」
そう言いながら視線を上げると、槇寿郎の眉尻下がった笑顔が『少し物足りない。』と言っているように見えた。
「……や、やっぱり…いっぱい欲しいです…。」
瑠「まあ。」
槇「そうかそうか!」