第1章 出会い
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「さぁ、皆の狙いがバラけることを祈って白状しましょー。」
その言葉に皆がこくりと頷く。
「じゃあちーちゃんから順にどうぞ。」
そうして一人ずつ名前を出していくと皆の狙いは見事にだだ被りしている事が分かった。
「予想はしてたけど…、みーんな天元くんなのね…。」
女「いやだってあの華やかさ見ちゃうと他の人なんて見れないよ…。」
女「あ、でももう一人華やかな人いるよね。ずっと食べてて明らかに『人数合わせで来ましたー!』って感じの人。」
「煉獄さん…煉獄杏寿郎さんね。天元くんが『あいつとは中学生の頃からの付き合いだ』って言ってたよ。」
女「で!りんはどうなの!だれなの!?」
りんはその言葉に一瞬固まった。
話しかけてきたのは明らかに浅はかな下心のある男だけだった。
「…や、やっぱり前の彼氏と比べちゃって…。今のところはないかなー。」
りんがそうごまかしながら笑うと皆は『営業部長の元彼なら比べちゃうよねー。』『そもそもこんな場で選ぶほど困ってないもんね。』と勝手なことを言う。
(………でも、みんなは私と違って…、)
女「じゃあ早い者勝ちだね!」
りんはその声で我に返ると、笑い合う友達に合わせて笑顔を浮かべた。