第6章 一大イベント(part. 1)
りんはそんな杏寿郎にずっと頭を撫でられているうちに少しずつ脱力していった。
それだけ見るとりんは扱いやすいように見える。
しかし、その様子を見ていた三人は『相手が杏寿郎だからだ。』とどこかで確信した。
千(…兄上がりんさんを逃すまいと外堀を埋めている…と思ったけれど…、りんさんはもうとっくに兄上から離れられなくなっているんじゃ…、)
千寿郎がそう分析する中、両親は嬉しそうに微笑み合っていた。
杏「うむ、少し落ち着いたようだな。では頂こうか。」
「あ…はい!ぜひ皆さんも!」
りんはハッとして杏寿郎から視線を外すと皆に小さく頭を下げたのだった。