第6章 一大イベント(part. 1)
杏「ただ今帰った!りんさん、分かっていると思うがこちらが弟の千寿郎だ!千寿郎、恋人のりんさんだ!」
千「千寿郎です。よろしくお願いします。」
瑠「千寿郎、何を持っているのです。」
母親の言葉に千寿郎の肩が跳ねる。
千寿郎はふりふりと首を横に振った。
千「その…、これは、」
瑠火は表情を変えずに近付き、ただ手を差し出した。
無言の『渡しなさい。』を見たりんは、この家の頂点に君臨するのは瑠火なのではと感じた。
瑠「……なるほど。」
気になった杏寿郎はそう言う瑠火の手元を覗く。
(うぅ…気になるけど流石に覗けない…。)
杏「なるほど!!父上だな!!」
杏寿郎がただ笑顔を浮かべたので、りんは千寿郎とのリアクションの差に戸惑った。