第2章 初めての彼氏は…、
(わ……、改めて見ると…なんというか……、)
見つめる先では口角を上げた杏寿郎が僅かに首を傾げている。
(天兄と違って硬派というか…すごく清らかな格好よさがある……。顔…、整いすぎ……。)
見れば見るほど目が離せなくなった。
目を見張るほど綺麗な瞳の色は、強い魅了の魔力を持っていると言われた方が納得できる。
杏(口付けをねだっている訳ではないのだろうが…。)
杏寿郎はりんが固まってしまったので困ったように微笑んでいた。
杏(それにしても……、)
りんは口を薄く開いて身を乗り出し、杏寿郎の瞳を見上げている。
その様子を見下ろせば、唇はぷるんとしていて目を引くし、谷間もちらちらと見え隠れしていた。
杏(この子はいつもこう無防備なのだろうか。気付かずに他の男にもこれを見せてしまっているのではないか。)
そう思うともやりとした感情が湧いてくる。