第2章 初めての彼氏は…、
「な、な…何言って……、」
りんがそう言っていっぱいいっぱいになると、杏寿郎はまた明るく笑う。
杏「ではひとまず君の言う通りデートをしよう!」
「………………は、い……。」
杏寿郎のペースにのまれてしまったりんは小さな声で返事をした。
杏「と言っても俺は剣道ばかりしてきたので知識がまるで無い。その点、 "そう" 振る舞えていた君は周りに話を合わせられる程の知識があるのだろう。頼っても良いか。」
「…は、はい!」
やっと自信を取り戻したりんはパッと顔色を明るくさせた。
そして、無意識に椅子を回転させて隣に座る杏寿郎と向かい合った。
「…………………………。」
りんは男の顔を見てドキドキとした事がなかった。
天元のせいで目が肥えていたからだ。
しかし今は心臓の音がうるさい。
杏「……?」
杏寿郎は天元とは系統が異なるとんでもない美丈夫だった。