第5章 華
杏「服によっては隠れるかもしれないが、もし出るようなら君も自身のを消すようにしてくれ!きっと両親に拳骨をもらってしまう!!」
「え、あ…!」
りんは赤くなって首を押さえると小さく頷いた。
杏「うむ、では寝よう。」
「はい…。」
そう答えると手招きされるまま杏寿郎の胸にくっつく。
そうして、杏寿郎は相変わらず初心な反応を見せるりんを微笑ましそうに見つめてから灯りを消したのだった。
———
(はっ)
りんはアラームの音を聞くとパチッと目を開いた。
杏「む、今日は寝起きが良いのだな。」
先に起きていたと思われる杏寿郎はりんを緩く抱きしめたままであった。
りんは杏寿郎が起きて何をしていたのかを考えるよりも先に勢い良く頷いた。
「今日は初デートの日です!ご実家挨拶という大イベントもあります!ご飯を食べたら私の家に来てください!首の跡を消します!!それからこの日の為に用意したワンピースも着ます!!」
杏寿郎はそのやる気あふれる姿に破顔した。