第2章 初めての彼氏は…、
杏「うむ!デートをすれば良いのだな!他にはどのような事をするのだろうか!」
「えっ」
(そんなの普通に生きてたら大体分かるでしょ…まさか、からかってわざと…?)
そう思って杏寿郎の顔を見上げるも杏寿郎は綺麗な瞳で見つめ返して首を傾げた。
(……ではなさそう。)
りんはひとまず息をつくと眉を寄せながら口を開いた。
「友達と違う事といったらやっぱり…き、キスをしたり………、」
太ももの上で汗ばんだ手をぎゅっと握る。
「あとは…その…、つまり、……いわゆる…、」
りんがそう言いながら俯いて耳まで赤くすると、『こらえきれなかった。』というように杏寿郎が爽やかな笑い声を上げた。
「……………え……?」
りんが赤いままの顔を上げると、杏寿郎はおかしそうに笑いながら、さらりとりんの頭を撫でた。
「…っ」
杏「君、経験豊富とは嘘だろう。先程男に掴まれた時は体を跳ねさせていたし、独特な笑顔を浮かべる時は嘘をついている時だ。」
杏寿郎は気を遣って周りの客に聞こえぬようにこっそりとそう伝えた。