第2章 初めての彼氏は…、
一気に関係が変わった二人は自己紹介をし直した。
りんは上司である営業部長の秘書をやっている事を伝え、そして二歳上の杏寿郎は今二十八歳で歴史教師をしている事を教えてくれた。
そして二人は互いをりんさん、杏寿郎さんと呼ぶように決めると飲み直すことになったのだった。
杏「それで、付き合ったら具体的に何をすれば良いのだろうか!全く分からないので教えて頂きたい!」
乾杯をすると杏寿郎がそう聞いてきた。
りんはそれににこりと笑う。
「ふふ、任せてください。まずはそうですね、やっぱりデートです。それから…、」
余裕を持って話し始めたはずが序盤から言葉を詰まらせてしまった。
杏寿郎は経験がないという貴重な仲間だ。
なんとなく、同じ立場にいる相手に背伸びした自分を見せるのが恥ずかしくなったのだ。
杏寿郎はそんなりんの様子を大きな目でじっと観察していた。