第5章 華
杏「何だろうか。」
その、『どうしてそんなに必死になっているのだろうか。』とでも言うような顔を見たりんは眉尻を下げた。
「さ、さつまいもの事を言うだけじゃだめですか…?」
その声色と言葉からりんの気持ちを理解した杏寿郎は、立ち上がってりんの元まで歩き、優しく頭を撫でた。
杏「君の従姉妹は本当に愛らしいな。君と親戚だとは思えない。」
天『はあぁ??そいつが可愛くしてんのはお前の前でだけだと思うぜ。』
杏「それなら尚良い!!!」
「杏寿郎さん…。」
りんは赤くなりながら杏寿郎の名を呟くと、諦めて調理に戻った。
天『お前、りんの事美化してねぇか?興味ない事にはとことん冷めてるぞ。時間が経てばメッセージもろくに返さなくなるぜ。』
杏「俺には冷めないので心配無用だ!俺と違って返事がすぐに来ないからといって僻まないで頂きたい!!」
天『は!?なにお前!腹立つわー!それにあいつは……、』
天元はりんの悪いところを許される範囲で暴露してやろうと思った。
しかし、意外にも思い浮かばない。