第5章 華
「何も面白くないと思いますが…別に構わないですよ。」
杏「ありがとう!!」
杏寿郎はそう言うと、りんの横で食材を袋から出す作業を手伝った。
(なんか…彼氏のお家に調味料置くのって良いなあ…。)
りんは胸が満たされるのを感じながら収納棚に料理酒を入れた。
(彼女っぽいというか…。でもこれって独占欲が満たされるからって理由もあるのかな。マーキングに近い気がする…。)
杏「りんさん、玉ねぎはどこに仕舞えば良いだろうか。」
りんは杏寿郎の言葉にハッとすると、慌ててみりんを棚に入れて立ち上がった。
「玉ねぎは全部使うので後ろに出して置いておいてください。」
杏「すごいな!全部か!了解した!!」
そうしてレンジ等を置いていないスペースは食材で埋まっていき、代わりに調理スペースには作業できるだけの余裕ができたのだった。