第5章 華
———バタンッ
杏「ただ今帰った!」
「…お邪魔します。」
りんは杏寿郎の部屋に着くと、杏寿郎の持つ買い物袋をさり気なく半分持とうとした。
道中少しも持たせてもらえなかったからだ。
(靴脱ぐ時ぐらいは…、)
しかし、杏寿郎はやはり譲らない。
(この人並外れた力の強さ、天兄みたいだな…。)
杏「手料理が楽しみだ!!」
杏寿郎はそうわくわくしながらキッチンに向かい、ドサッと大量の食材を置いた。
「そこそこ時間がかかると思うのでテレビでも観ていてください。」
杏「君を見ていたい!駄目だろうか!」
杏寿郎が食い気味に頼むとりんは少し恥ずかしそうな笑顔を浮かべた。