第4章 誰のもの
「…っ」
りんは真っ赤になって口を押さえようとしたが、杏寿郎が両手首を掴んでそれを阻止した。
「待っ」
りんが制止しようとするも、杏寿郎はすぐにまた口付けてりんの言葉を奪う。
(初めてなのに…。)
そう思うと少しだけ文句を言いたくなったが、杏寿郎にとっても初めてである事を思い出すとこうなる原因を作った自身の立場の方が弱い気がした。
そして、その判断と共にりんの抵抗が弱まる。
それを感じた杏寿郎はとうとう額に青筋を浮かべた。
杏(…まだ気持ちが足りていない相手に無理やりされているのなら、もっと抵抗しなければ駄目だろう。)
杏寿郎はそう思うとりんの咥内に舌を入れた。
「…っ」
熱い舌を絡められたりんは、ビクッと肩を跳ねさせると恥からじわりと涙を滲ませる。
「んっ、ぅ…、」
りんがそう言葉にならない声を発しながら緩く抵抗すると、杏寿郎はりんの足の間に膝を割り入れ、もっとしつこく舌を絡めた。