第4章 オペラの友人(?)でロビンの先輩な話
「そういえば」
とオペラさんが腕に宛てている私の手を反対の手で触れる。
細くて冷たい指が私の手の甲を撫でるように滑り、ドキリと心臓がはねた。
「オ、オペラさん?」
距離をとろうと足を一歩引けば、いつの間にか私の背に添えられた彼の柔らかな尻尾が、その見た目に反して力強く押される。
離れることができない。
「まだ貰ってないですよ」
「なにを……」
「本のお礼です」
「お礼、ですか」
「はい。いま貰いますね」
私の手の甲を撫でていたオペラさんの指が私の指先を少しだけ持ち上げ、指の間をくすぐるように刺激を与えながらゆっくりと指を絡めると、2人の手のひら同士が触れあった。
オペラさんの握る指先にきゅっと力が込められる。
私の手の甲に触れる彼の指先は冷たくて、大きな手のひらはあたたかく、手を繋いでいることをリアルに感じてしまいカッと顔に熱が集まった。
「こっちを見てください」
繋がれた手とは反対の手が私の頬から顎かけて添えられ、私の顎に圧を感じれば自分の顔が勝手に上を向いてしまう。
正面から抱き締められているように背中、指、顔にオペラさんを感じてしまい、心臓がバクバクと暴れた。
「オペラ、さん」
されるがままにオペラさんの顔を見るしかなくて視線を合わせた。
私がよほど酷い顔をしていたのか、オペラさんが私の顔を見て少しだけ笑うように口角を上げると、そのまま綺麗な顔を近付けてくる。
ギュッと目をつぶれば、ふわりとオペラさんのにおいが私の鼻をくすぐり…
「次の休み、私と出掛けましょう」
オペラさんはそう耳元で呟いた。
顔に触れていた手が離れたのでゆっくりと目を開けば、いつもの無表情に戻っていた。
キス、されるかと思った。
付き合ってもいないのだからされないことは当たり前だけれど、あんなにもアプローチをされ、密着をすれば意識してしまうのはしょうがないと思う。
動揺を悟られないように少しずつ目をそらす。