第10章 媚薬・不死川実弥
夕餉も食べ終え、湯浴みも終わった2人は、寝衣のまま不死川の自室で酒を飲んでいた。ここなら酔ってもそのまま寝られるからだ。
「かんぱーい。」
「おぅ。」
二人は猪口に口を付けた。
「く〜っ、染みる〜。」
「おっさんみてぇな奴だな。」
「おっさんはひどくない?」
楓はケラケラと楽しそうに笑っている。不死川は、ふと先程宇髄からもらった小瓶のことを思い出した。
「そうだ、これ、やるよ。」
小瓶を楓に投げてやる。
「何これ?」
「あ〜、何つったかな?忘れたけど、飲むと肌が綺麗になるらしいぜ。宇髄の奴からもらったんだけどよ。」
「へ〜、そんなのあるんだ。どうせなら飲んでみようっと。」
楓は受け取った小瓶の蓋を開けると、中身を飲み干した。
「甘くて美味しい。」
「そりゃ良かったな。」
なんとなく宇髄からもらった物を飲んだことにもやっとしながらも、不死川は酒を飲んでいた。