第7章 贈り物・悲鳴嶼行冥
鈴音はその場に座り込んでしまう。
「、、、鈴音?どうした?」
鈴音に合わせて、悲鳴嶼もしゃがむ。鈴音の顔は真っ赤だった。
「、、、行冥さんの愛に溺れそうです。」
悲鳴嶼は元々あまり話さない。そんな悲鳴嶼からの怒涛の愛の告白に、鈴音は腰砕け状態になってしまった。いつもより近い、悲鳴嶼の首に腕を回す。
「私の愛が行冥さんの力になるなら、いくらでもあげます。」
鈴音はぐっ、と伸びると、悲鳴嶼の唇にちゅっ、と口付けた。
「大好きです、行冥さん。」
「、、、可愛いことを言う。」
悲鳴嶼は鈴音の後頭部に手を回すと、今度は自分から口付けた。徐々に舌を絡めた深い口付けになっていく。
「、、、はぁ、、、」
唇を離すと、鈴音の口から熱い吐息が漏れた。悲鳴嶼はそれを聞き逃さなかった。悲鳴嶼は鈴音を横抱きにすると、立ち上がる。二人の間で潰れかけてた花束が床に落ちた。
「悪いが部屋に行く。今日は、離してやれそうにない。」
悲鳴嶼は鈴音を横抱きにしたまま、自室へと向かった。