第7章 贈り物・悲鳴嶼行冥
「女性への贈り物、ですか?」
今度は奥さんが三人いる、音柱の宇髄天元だ。彼なら女性の好みを良く知っているだろう。
「あぁ。贈り物をしたいと思うのだが、何がいいかわからない。」
宇髄にも正直に打ち明ける。
「鈴音さんにですか?彼女ならなんでも喜びそうですけどね。」
「そうは思うのだが。具体的に女性は何を贈れば喜ぶ?」
そう、具体的な物が聞きたい。胡蝶では具体的な物の話にはならなかった。
宇髄はそれがわかったのか、話し始めた。
「やっぱりはじめは甘味じゃないですか。甘い物が嫌いな女性はいませんよ。後はありきたりですけど、花束は喜びますよ。」
悲鳴嶼は、ふむふむ、と頷きながら聞いている。
「そうですね、後は買いに行きにくいと思いますけど、綺麗な小物が好きな女性は多いですよ。あ、簪なんかもいいですね。鈴音さん、髪長いし。」
簪か、いいな、などと考えている悲鳴嶼を他所に宇髄はさらに続ける。
「誕生日なんかの大事な時には着物や宝石なんかの値が張るものをお勧めします。やっぱり大事な人には良い物を贈りたいですしね。」
「、、、色々ありがとう、宇髄。参考にさせてもらう。」
悲鳴嶼は買い物して帰ろうと、街に向かった。