第7章 贈り物・悲鳴嶼行冥
ある日、悲鳴嶼はこんな話しを耳にした。
「今度誕生日でしょ?何か欲しい物ある?」
なんて事はない、普通の会話だ。恋人同士なのか、家族の会話なのかも覚えていない。
(贈り物か。考えた事もなかったな。)
正直、女性経験は多くない。女性と付き合うのも久しぶりだった。
悲鳴嶼はいつも自分に尽くしてくれる鈴音に何か贈り物をしたいと思った。
(しかし、何を贈ればよいのか、、、)
鈴音が何か欲しいと話していた記憶はない。それに猫が好きなのは知っているが、それ以外に何か好きな物があるのか、悲鳴嶼は知らなかった。
(このままでは、愛想を尽かされるな。)
悲鳴嶼は一人で苦笑する。
考えても贈り物が思いつかず、悲鳴嶼は誰かに相談することにした。