第6章 彼の音・悲鳴嶼行冥(裏無し)
宇「俺も失礼します。嫁達が待ってるんでね。」
鈴「嫁達?子供さんもいらっしゃるんですか?」
俺が嫁が三人いる事を教えると、彼女は目をまん丸にしていた。こんなにわかりやすく驚かれるのは久しぶりだ。
お茶を飲み終わって、俺たち三人は帰ることになった。
鈴「皆さま、またいらして下さいね。」
にっこり笑う彼女からはずっと穏やかな音がしている。
俺は余計な心配をしていたようだ。こんな穏やかな音を出せる人間は中々いない。彼女は間違いなく真っ直ぐで裏表のない人間だ。
し「蝶屋敷にも遊びに来て下さいね。」
煉「うむ。またさつまいも料理を食べさせて欲しい。」
宇「、、、失礼しました。」
心の中で彼女への謝罪も付け加える。少しでも疑って悪かった。
彼女なら、生真面目は彼の側にいても大丈夫だ。その穏やかな音で彼を包んでくれる。
俺は、二人の幸せを祈りながら、早く嫁達に会いたくなって、急いで帰った。