第1章 彼女が酔ったら 宇髄天元の場合
「、、、てんげんさまぁ、、、」
ひなたが隣りの宇髄に寄りかかる。いつもと違う甘い声に、宇髄は顔を覗き込む。ひなたの頬は赤く染まり、目は潤んでいた。
(酔っ払ってる。)
宇髄はこの後、彼女がどうなるのか、少し楽しみだった。笑い上戸になるのか、泣き上戸になるのか。
「、、、てんげんさま、すき、、、」
ひなたは、胡座をかいて座っている宇髄の膝に乗り、正面から首に手を回す。
「、、ひなたはてんげんさまがすきです。ちゃんとわかってますかぁ?」
「、、もちろん、わかってる。」
やばい、と宇髄は思った。普段あまりそういうことを言わないひなたが、酔っ払った、ちょっと舌足らずな感じで言う告白は可愛くて、宇髄の心臓がもたない。
「、、む〜〜〜、、」
ひなたは宇髄の返事がお気に召さなかったようだ。ちょっとむくれた顔をしている。
「、、ひなたはてんげんさまがすきです。だからくちづけます。」
そう宣言すると、ひなたは宇髄に口付けた。唇に触れるだけの口付けが、何度も何度も繰り返される。その内、ひなたの手が宇髄の合わせから中に滑り込む。
「、、あっ、おい、ひなた、何して、、」
「、、ひなたはてんげんさまがすきです。なのでたくさんさわります。」
ひなたは両手を合わせに入れ、開けるところまて開いた。普段宇髄がそうするように、首筋から胸に向かって下りながら口付けを落としていく。