第37章 欲しい物・鬼舞辻無惨
「坊っちゃん、たまには息抜きしましょう。双六なんてどうですか?花札にしましょうか?」
そう言って両手に遊び道具を抱えてやって来たこともあった。
「坊っちゃん、お茶が入りましたよ。」
そう言って、いつもニコニコ笑っているその顔が頭から離れなくなったのはいつの頃からだろうか。
「坊っちゃ〜ん。」
部屋に来るなり、突然抱き締められた。
「外でうんと太陽を浴びてきました。あったかいでしょう?」
そんなことされても、振り払わなくなったのはどうしてだろう。
無惨はイライラしていた。の顔が頭から離れない。でも食べたい訳では無い。自分自身、感じたことのない感情にどうしたら良いのかわからなかった。
「坊っちゃん、そろそろ寝る時間ですよ。」
が就寝の用意の為、部屋に来た。俊國は大人の姿でそこにいた。はその姿を見ると、目を見開いて固まった。
「、、、大声を出すなよ。」
は首を縦に振った。扉を閉める。