第33章 継子の理由・時透無一郎
無一郎、退院の日。
「お帰りなさい、師範。」
「、、、ただいま、。」
は喜んでいた。上弦の鬼と戦った無一郎は無事に帰って来たし、無一郎の記憶も戻っている。上機嫌にならない方がおかしかった。
「今日は退院祝いですから、師範の好きな物、たくさん作りますね。」
台所に向かおうとするの手を無一郎が掴んだ。
「師範?どうされました?」
「、、、思い出したんだ。」
「何をですか?」
「君を継子にした理由。」
そう言えば聞いたことがなかった。なぜ無一郎はを継子にしたのか。
無一郎の手がの背中に回る。は抱き締められていた。
「っ、、師範っ、、」
「、、、君に一目惚れしたんだ。」
合同任務で初めて会った時、一目見て強く惹かれた。離したくない。そう思った。
「君も僕のこと好きでしょ?」
「あの、師範、、、」
「何の問題もないよね。」
無一郎は、触れるだけの口付けをした。の顔は真っ赤だ。
「部屋、行こっか。」
無一郎はを横抱きにすると、自室へと向かう。