第33章 継子の理由・時透無一郎
銀子は無一郎の鎹烏だ。最初はに冷たかったが、最近やっとまともに話してくれるようになった。
すっ、と襖が開いた。
「、、、」
「あ、師範。お風呂上がったんですね。」
「、、、誰だっけ?」
「継子のです。」
「あ、そう。僕、もう寝るね。」
無一郎は今開けた襖をすぐに閉めてしまった。
「はぁ〜〜〜。」
は大きく溜息を吐いた。
「後片付け終わったら、私も寝ようっと。」
は台所へと向かった。
「刀鍛冶の里ですか?」
「うん。新しい刀鍛冶が刀を打ってくれるから、行ってくる。」
きっといつ帰ってくるかはわからないだろう。は聞こうとして止めた。
「その間、私はどうすれば良いのでしょうか?お供しますか?」
「お供なんていらない。好きにしてて。」
相変わらずの無一郎だ。は小さく溜息をこぼす。
「わかりました。こちらでお帰りをお待ちしてます。」
「、、、好きにして。」