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鬼滅の刃 裏 短編集

第33章 継子の理由・時透無一郎


「師範、お帰りなさいませ。」
「、、、誰だっけ?」
「継子のです。」
は小さく溜息を吐いた。仕方ないことではあるが、忘れられてしまうのは悲しいものがある。
「お食事の用意が出来てます。師範の好きなふろふき大根もありますよ。」
「、、、そう。」
かすかに無一郎は唇の端を上げる。ふろふき大根の時はいつもそうだ。きっと喜んでいるのだろう。はその表情が見たくて、ついついふろふき大根ばかり作ってしまう。
「美味しいですか?」
「、、まぁまぁだね。」
いつもと同じ質問。いつもと同じ答え。美味しいとは言ってくれないが、不味いとも言わない。無一郎なりに気を使っているのかも知れない。
「、、、お風呂は?」
「沸けております。」
「それじゃ、入ってくるね。」
は無一郎の背中を見送ると、食事の後片付けをする。
「銀子、明日の師範の予定は?」
「明日モ任務ヨ。遅レナイヨウニ起コシテアゲテネ。」
「わかった。ありがとう。」
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