第29章 クッキーは誰のもの・不死川実弥(裏なし)
「だから、交換して欲しい。」
冨岡に再度言われて、はやっと冨岡が本気なのがわかった。周りのクラスメイトもざわざわしている。
は困って周りを見回した。
「、、あっ、、」
と不死川の目が合った。不死川は睨むようにを見ている。
不死川っていつからこんな背が高かったんだっけ?
小学生の頃は私と変わらなかったのに
なんて違うことをは考えていた。
「チッ。」
不死川は大きく舌打ちをすると、と冨岡の方に近づいて来る。
「悪い、冨岡。」
不死川はの手を取ると、駆け出した。教室を出ても、まだ走る。
階段を上がり、辿り着いたのは屋上だった。
「、、不死川、、」
不死川はくるりとの方を向くと、自分が作った緑色の小物入れをに押し付けた。は思わずそれを受け取る。
「、、不死川、これって、、」
「、、、、、」
不死川は言いにくそうに目線を逸らせた。