第29章 クッキーは誰のもの・不死川実弥(裏なし)
「交換だ。クッキー寄越せ。」
ボソリと呟くような不死川の声がした。
は一気に顔が真っ赤になった。
「あの、その、美味しくないかもしれないけど、、、」
冨岡に交換して欲しいと言われた時は困っただけだったが、不死川に交換と言われて、は嬉しかった。
おずおずとクッキーを差し出す。不死川はそれをそっと受け取った。
「さんきゅ。」
ふと、柔らかく笑った不死川の顔に、はドキドキが止まらない。
「、、、目、つぶれぇ。」
が目を閉じると、唇に何か柔らかいものが触れた。が慌てて目を開けると、思ったよりも近くに不死川の顔があった。
「、、、いまっ、、いま、、、」
「もらっといたぜ。」
不死川は再びの手を取ると、歩き出した。
「今日から登下校、一緒な。」
「///わかった///」
は不死川の手を握り返した。