第22章 掴めない・不死川実弥
「後は任せた。俺らは帰る。」
隠にそう言うと、実弥はの腕を掴んだまま歩き出した。
「いえっ、あのっ、風柱様っ。手を、離して、くださいっ。」
はわたわたとそう言った。
「、、、黙ってついて来い。」
実弥は後ろも見ずに歩いて行く。は黙ってついて行くしかなかった。
「、、、あの、ここは、、、」
実弥が一軒の家に入って行こうとしている。がそう聞くと、
「俺んち」
とだけ返ってきた。
玄関が閉められると同時には実弥の腕の中にいた。実弥に抱き締められている。
「か、か、か、風柱様っ。なに、な、なにを。」
の声が驚きで裏返る。
「、、、やっと、捕まえた。」
実弥のそんな呟きが聞こえた。
「お前が逃げるから。捕まえるのに苦労した。」
実弥の呟きは続く。
「俺のこと怖ぇか?」
実弥の問いには首を小さく横に振る。
「んじゃ嫌いなのか?」
再びは首を横に振る。