第17章 ちょこれーとぷれい・宇髄天元
「天元様、失礼します。」
は襖をそっと開ける。手には盆が乗っていた。
「お酒と甘露寺様から頂いたチョコレートをお持ちしました。」
「おぉ、そこ座れ。」
宇髄はすでに着流し姿で寛いでいた。宇髄の横に盆を置くと、も宇髄のそばに座った。
「これがチョコレートか?」
「はい。そのままでは食べにくそうでしたので、小さくしてきました。」
見ると、皿の上に一口大の大きさの茶色い板の様なものが乗っている。
「ふぅん。」
宇髄はチョコレートを一欠片取ると、口に放り込んだ。
「あっま!?」
チョコレートの甘さに驚いたのか、宇髄から大きな声が出た。も一欠片口に入れてみる。
「本当。びっくりする程甘いですね。でも美味しいです。」
はチョコレートが気に入ったようだ。
「この、口の中で柔らかくなってく感じが不思議ですね。初めてです。」
チョコレートはの口内で柔らかく溶けていく。
「俺はいいわ。食べていいぞ。」
「ありがとうございます。」
はゆっくり味わうように、チョコレートを食べていく。
それを見ていた宇髄は、なぜかチョコレートが食べたくなった。先程いらないと言ったばかりなのに。考えて、思いつく。