第9章 ◇一夜のアレコレ◇
「これって、いわゆる吊り橋効果、なのかな(笑)」
「…」
笑ってる…。
や、照れ笑い?
…可愛い…
じゃなくて!
「どっちにしても寝られなそうだから。私が外に出てるよ。大野くんはゆっくり寝て。明日の仕事にそなえて」
「いやいや!」
それはないでしょ。真白のテントなのに。
ていうか
「…あの。俺も、言っちゃうんだけど」
「うん?」
「俺…。俺も、好き…」
「…え?」
「その。真白の、こと」
「…」
「あ、や、フツーに!フツー…じゃないか。かなり?」
「え?」
「や、だから。俺が好きなのは、吊り橋のせいじゃなくて!俺はっ。その…結構、前から…」
「っ」
「好き…デス」
…言っちゃった。
なんか沈黙も返事も怖くて、その後も、勢いで喋り続けた。
初めて会ったときからカワイイって思ってたとか、釣りの取材のときはもうイイなって思ってたとか、翔くんと仲いいの見てちょっとヤキモチ妬いてたとか…いらんことまでっ。