【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第3章 二次元オタクは童貞を殺したいらしい
変に髪の毛のを弄られたのが気持ち悪かったのか、もそもそと髪の毛を触りパラッと解いてしまう。
髪を下す姿を初めて見る訳じゃないのに、服装一つでこうも違って見えてしまうのだと、影山は思っていた。
するすると頬を撫でていると、朔夜はくすぐったそうに笑っている。
(……ルール無かったら絶対キスしてんだろうな)
二人で決めた高校生の間の決め事は絶対であり、キツく縛り付けてくる。
えっちぃ事は駄目だと言うのに、こんなエロ丸出しの服を着たり、相変わらず朔夜の線引きが分からないのだが。
(やっぱ……可愛いんだよな、コイツ)
普段は馬鹿丸出しで好き勝手やっているし、他の男子とも仲が良いが、二人っきりの時はやっぱり『彼女』と言う顔を見せてくれる。
最初はどんなきっかけだったとしても、朔夜はちゃんと影山の事を彼氏だと認識しているし、異性として好きでいてくれているのだ。
「飛雄たん、くすぐったい」
朔夜からの訴えを聞き、触っていた手を止める。それでも影山の手が朔夜から離れる事はなく、じっと見上げていると優しくベッドへと倒される。
(胸の見えたらいけない所も見えてるし、本当にコイツ馬鹿……)
これ以上黙って見ていたら襲いかねないので、朔夜の事を腕の中にしまい込んでしまう。
サラサラの朔夜の髪の毛も触り心地が良いし、掴んでいる肩も柔らかかった。
影山に抱きしめられていた朔夜は、ギュッと影山に抱きつくと嬉しそうな声色で言う。
「飛雄たん好きー」
「知ってる」
「飛雄たんも好きだー」
「そうだな」
結局の所、影山は朔夜にベタ惚れしてしまっている。そうで無ければこんな無理な願いに、付き合ったりなんかしない。
普段は出せない朔夜への愛情は、二人っきりの時に出す。誰にも見られてなければ、恥ずかしくないからだ。
「さく……」
コツン、と額と額をぶつけると鼻先が触れ合う。
唇と唇の距離は三センチも無く、普通の恋人同士だったら間違いなくキスをしている距離だった。
「…………えっちぃ事、しちゃ駄目」
「……分かってる。ルールだからな」
そう言っても影山の顔が離れる事がない。互いの吐息が分かる程の超至近距離。
これだけの距離から影山が離れようとしてくれないのなら、何をしたいのか朔夜だって分かる。