【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第10章 ◎すれ違い
今すぐにでも学校を出て、何処かに行きたい。
一人になりたい。
丁度タイミング良く、商業施設行きのバスが止まっていたので私はそれに乗り、学校を後にした。
◆
「もー最悪っ!別れたわよっ!」
フードコートで一人ジュースを飲んでいると、近くに座る女子高生グループの話が聞こえてきた。
「結局別れたんだ」
「別れるに決まってるでしょ?部活部活部活でさっ。私は何なの?って話」
「放置は無いよねぇ〜」
「部活が駄目とは言わないけど、そっちばっかり優先でこっちは放置、とかさ。じゃあ彼女なんか作ってんなよ!って話」
「愚痴いくらでも聞くから次行こ〜」
他人事ではない内容についつい耳を傾けてしまった。
嗚呼、部活理由で放置されるのは私だけじゃなかったのか。と同士がいた事に安心してしまう。
そして、それが理由で別れるのも普通なのかな、と。
「…………そうだよね。放置されるなら」
ボソボソと独り言を言う。
心に溜まっているドロリとした感情は、もう溢れ出しそうな所にまで来ている。
コップならば水が溢れるギリギリの段階。
「映画……どうしようかな…………」
一人で行っても良いけれど、チケットは二枚ある。誰か友達でも適当に誘おうかな、と思ったけれど、気が乗らない。
「はぁ……」
気分を少しでも変える様に、ショッピングでもしてから帰ろうかな、と立ち上がる。
欲しい物がないから本当にフラフラするだけになってしまうけれど、まだ家に帰りたくないので許させるまで歩いていよう。
服を見たり、雑貨を見たりして時間を過ごす。
でも気持ちが晴れていく事はなく、気が付いたらスポーツショップの前に立っていた。
「ここは来ても仕方ない」
ぷるぷると首を振って離れていく。
そもそも堅治とだって数える程しか行った事が無いし、詳しくもないのだから見ても楽しくなんてない。
「はぁ〜〜そろそろ帰ろ」
呟きスマホで時間を確認しようと取り出して、通知に驚いた。
時間を見ると二時間ちょっとスマホに触っていない事になる。
その間に物凄い不在着信とLINEの通知が入っていた。
その通知名には勿論友達の名前もあったけれど、不在着信はほぼ堅治の名前で埋め尽くされていた。
でもそれを見ても今更何だろう、と言う気持ちしか出て来なく返信も何もしたくなかった。