【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第9章 ◎偽りの彼女お願いします
「白鳥沢にはもう一人予定がいるだよ!」
「行動が早いな……」
「時間は有限だからねぇ」
うえっへっへっと笑っていると及川から解放された国見が早足で戻ってきていた。
そしてサッと朔夜と真衣の間に入り、言う。
「何をした?何もするな。早くラーメン食べて帰れ」
「もうくにみんの独り占めさんめっ!女同士のお話をきんきんと一緒にしてただけだべ?」
「俺が居る時点で女同士じゃないだろ……」
金田一のツッコミにてへぺろしてから、朔夜は岩泉の元へと駆けていく。
岩泉の元に着くとスマホを取り出し、電話を始めた。
「あ、飛雄たん?入畑監督にDVD渡したよ〜。でね、岩ちゃん先輩が大王様のお金でラーメンゴチしてくれるから、ラーメン食べてから戻る〜!ん?はい、岩ちゃん先輩」
「ん?」
スっと差し出されたスマホを受け取り、岩泉は電話口でハッキリと伝えていた。
「おお、影山か、安心しろ。及川の馬鹿は半径三メートル以内に近寄らせねぇから」
「俺の扱い !!」
「うん、遅くならないで帰るから〜」
岩泉から返されたスマホを受け取り、朔夜は笑顔で電話を切ると大きく手を降って言う。
「じゃあね〜!くにみん!きんきん!真衣たん!」
「早く帰れ」
「おう、また、か?」
「お疲れ様、です」
返事を聞き、朔夜は岩泉達に連れられて帰っていった。
その姿が見えなくなると、本当に疲れていたのか、国見はその場にしゃがみ込んでしまった。
「く、国見君っ !? 」
「おい国見大丈夫か?」
「……公式試合の何十倍も疲れた。ホント何アイツ」
本当に朔夜が苦手なんだな、と見ているとガバッと顔を上げて国見は真衣に言った。
「成瀬さん、本当にありがとう。助かった」
「い、いえ、私は大丈夫ですので……」
立ち上がった国見は真衣に改めて告げる。
「今度迷惑掛けたお詫びにお礼するから」
「そんな気を使わなくても……」
「アレに関わる借りを誰にも作りたくないんだ」
「そ、そうなんだ……」
真顔の国見に真衣は断り切れず、また全てがバレている事を言い出せずに、金田一と顔を合わせて苦笑いしてしまった。
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