【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第9章 ◎偽りの彼女お願いします
騒ぐ及川を押し退け、入ってきた面々は言う。
「人望の差だろ」
「海野ちゃん、ちーす」
「まっつん先輩!マッキー先輩!」
松川と花巻の姿を見て喜ぶ朔夜に、及川は一人騒ぎ立てる。
「何で俺にだけ懐かない !! 」
嘆く及川を無視し、岩泉は入畑監督に声を掛けていた。
「監督。俺ら帰るからコイツの事烏野まで送り届けますよ」
「悪いな。国見、金田一。校門までは見送ってきてくれ」
監督直々に言われたら断れないので、国見は溜息を漏らしてから金田一と真衣と共に、後を着いていった。
校門前まで無事に付けたが、今度は及川が真衣に反応したのだ。
「そう言えばそっちの子は?」
岩泉が遮断する前に、朔夜が言ってしまった。
「くにみんの彼女」
「はぁ〜 !? 国見ちゃんちょっと!」
ガッと肩に手を回され、真衣と無理矢理引き剥がされてしまう。
「ちょっ……及川さんっ!」
マズイ、と思ったが及川の力が強く、軽く引きづられて真衣から離れてしまった。
その状況に真衣はどうしようと慌てていて、朔夜がその隙を逃す筈がなく、いつの間にか隣に居るのだった。
「 !? 」
いつの間に、と驚いていると朔夜は笑いながら言ってきたのだ。
「ねぇ、くにみんの彼女(仮)?(予定)?それとも(アルバイト)?あ、(片想い)?」
「……え?」
朔夜の言葉に驚いて声が出ていると、変わらず笑いながらに言うのだ。
「だって本当はくにみんの彼女じゃないんでしょ?てかくにみんに彼女がそもそもいない」
「…………知ってたの?」
「モチのロン!」
真衣に尋ねられ、朔夜はドンと胸を叩きながら、得意げに言っている。
「くにみん嫌な事はすぐに顔に出るから、分かりやすーい。でもくにみんが真衣たんを彼女だ、って言うから彼女でいいのでござる」
「お前、分かって国見からかってたのかよ」
朔夜の話を聞き、金田一がこっそり聞いてきた。そんな金田一にも朔夜は笑顔で言うのだ。
「でもほら、くにみんがお願いする相手は見たいし、くにみんが選んだ時点で絶対可愛いし、本当に彼女になるかも?だし」
「お前なぁ……」
「きんきんも彼女出来たらおせーて!バレー男子彼女ズ結成するのだ!」
「なんだそれ……」
呆れる金田一に、朔夜は人差し指を突き出して言った。