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【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】

第9章 ◎偽りの彼女お願いします


 運動部は未知の世界なので、真衣には分からない事ばかりだ。
 朔夜は他校のマネージャーなのだろうな、と見ているとバチッと目が合ってしまった。
 朔夜が怪しい動きをし始めると、サッと国見の腕が真衣の前に出て、まるで遮断しているかの様だった。

「良いじゃん、ちょっと位〜!」
「馬鹿が移るから駄目」
「馬鹿じゃなくてアホだもーん!」
「バホが移るから駄目」
「略されたぁ!」
「変な事しないのが、会わせる条件だった筈」

 淡々と告げる国見に、朔夜は悔しそうに言った。

「くぅっ!ちょっとスマホフリフリしませぬかっ?」

 スマホを握り締めながら言う朔夜に、国見はこれ以上ない位に冷めた声色で言った。

「連絡先、何がなんでも聞くなって言わなかったっけ?」
「わーん!くにみんの独り占め野郎ぉ!」

 朔夜が何をどう言おうが一切譲らない姿勢に、真衣は感心していた。
 迷惑だけはかけない、と言うのは本当の事の様だった。
 諦めたくないと騒ぐ朔夜と鉄壁防御の国見のやり取りを見ていると、体育館にひょっこりと顔を覗かせた人物が声を掛けてきた。

「やっぱり聞き覚えのある声がすると思ったら、海野じゃねぇか。何騒いでいるんだ?」
「岩ちゃんせんぱーい!くにみんがぁ!」
「はぁ?国見がなんなんだよ?」

 駆け寄ってくる朔夜と国見を交互に見た岩泉は、国見の後ろにいる真衣の姿に気が付き、瞬時に状況理解をした様だった。

「海野、帰りは一人か?それとも影山が迎えに来るのか?」

 岩泉の質問に騒いでいた朔夜はピタッと止まり、正直に答えた。

「飛雄たん最初着いてくる言ってきたけど、春高前だから駄目だ、って皆に引きづられて行ったから、行きも帰りも一人〜!」
「そうか、腹減ってないか?ラーメン奢ってやるぞ」
「ラーメン!」
「及川がな」

 岩泉が指さす先には及川が居て、なんだと声を上げて言う。

「は?なんで俺がラーメン奢る話になってんの !? 」
「うるせぇクソ川。さっさと珍道中行くぞ」
「だから何で……って彼女ちゃんじゃーん!飛雄は?居る訳ないよねぇ〜?」

 朔夜の姿を認識した及川がさぁっと近寄ると、朔夜は流れ作業の様に岩泉の後ろにぴったりと隠れていた。

「だから何でそんなに避けるの !? 及川さんの何が嫌なの !? てか岩ちゃんに懐き過ぎでしょ !? 」
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