【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第9章 ◎偽りの彼女お願いします
真衣の返事を聞き、第一関門は突破出来たので、如何に素早く朔夜を追い払えるか、を国見は考えるのだった。
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「かんわいい〜!めんこい!岩手めんこいテレビ!」
「此処は宮城なんだけど?と、言うか言ったよね?馴れ馴れしくするのは禁止って」
放課後、前もってバレー部の面々には説明を済ませ、真衣を連れて朔夜と対面をしていた。
「会わせたんだから早く帰ってよ」
ツンケンと告げると、朔夜はドヤ顔で答えてくる。
「残念だったな、くにみん!私はそっちの監督さんに呼ばれて烏野代表で来ている身なのだ!白鳥沢の時みたいに、勝手に侵入しているのではない!」
「じゃあ早く用事済ませて烏野に帰って」
「きんきーん!くにみんがぁ!」
「ええっ?俺っ?」
とばっちりを受け、自分を指さす金田一の所に、朔夜は駆け寄って行ってしまった。
予め朔夜の人間像は聞いていたが、本物を目の当たりにてし、真衣はぽかーんとしていた。
国見が助けを求めてきた理由に納得出来る程に、朔夜は濃かった。
「ね、面倒でしょ?」
「え……えと……」
「帰るまでの間、もう少しお願いしたい」
このまま解散、とはならないらしいので今まで行く事がなかった男子バレー部がいる体育館に、真衣は着いて行く。
男子バレー部は及川徹目当ての女子が多いのは知っていたが、引退してしまった今は居なく、スッキリとしていた。
(わぁ……凄いな…………)
それなりに男子バレー部は強豪である事は知っているけれど、家庭科部とは無縁過ぎて関わる事も無かったので、ついマジマジと見てしまう。
「入畑監督ー!」
体育館に入るなり、朔夜は駆け足で入畑監督の元へと走っていった。
その声に気が付いた入畑監督に、朔夜は持ってきたリュックサックのファスナーを開けながら、ぐふふと笑って言う。
「頼まれました例のブツ、お持ちしましたぜ、監督ぅ。お返しは金の延べ棒でしたっけ?」
「周りに誤解を与える様な言い方をしない。その笑い方も止めなさい」
「武田先生レベルの対応ー!」
くぅ、と悔しがりながら朔夜はDVDを何枚か取り出していた。
なんのDVDなのだろう、と気にしていると国見がそっと教えてくれた。
「ああ、あれこの間の一年合宿の試合録画したヤツ。アレ録画してたから」
「そう言うのあるんだ……」